【バリバリ気合いが入る勝春く~ん】 | 高崎武大のこんな騎手情報局

【バリバリ気合いが入る勝春く~ん】

【バリバリ気合いが入る勝春く~ん】

先日、ある意味社会現象を引き起こした『電車男』が最終回をむかえた。なぜか騎手達の間でも、結構人気があったこのテレビドラマですが、秋葉原を心の故郷とするオタクくんが、電車の中で酔っ払いに絡まれていた美人なOLを助けて、そのお礼にエルメスのカップを貰うというストーリー。 このストーリー設定が、全く次元の違う世界にいる騎手達にとっては、たまらなく面白かったようなのだ。 ドラマでは電車男とエルメスはハッピーエンドを迎えたが、こちら競馬の世界においても、一人の電車男の物語が始まる。主役はこの人田中勝春とエルノヴァ。GⅠでは屈辱的115連敗中の冴えないGⅠ秋葉系ジョッキーと、藤沢厩舎のイケテルOLとの異色カップルがそれだ。


オールカマーという舞台から、目指すはエリザベス女王杯なのですが、このエルノヴァの母の名にご注目頂きたい!“シンコウエルメス”(笑)。母Sエルメスはイギリスダービー馬であるジェネラスの妹であり、父が欧州の至宝サドラーズウェルズという世界的良血馬。デビュー前から大きな期待をかけられ、藤沢厩舎からデビューしたのだが、不運にも調教中に再起不能なまでの骨折。診断的には「予後不良」というものであり、薬殺処分になっていてもおかしくないくらいの瀕死の状態だったのを今でも鮮明に記憶している。 藤沢師もエルメスには相当な期待をかけていただけに、成功確率2割弱という僅かな望みを託して手術に踏み切った。4時間を越える大手術で、脚にボルトを埋め込み事には成功したのだが、術後は激しい麻酔ショック状態で高熱が5日も続いたのだとか。そして、奇跡的な復活からエルメスはSSとの間に初めての娘、エルノヴァを産んだのだ。

藤沢師のエルメスへの愛。 そしてGⅠでは冴えない秋葉系騎手となってしまう勝春く~んの夢を乗せて、この秋はハッピーエンドとあいなりますか?!